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第二話:し~太郎、デートに苦戦
のりこと付き合い始めて数ヶ月がたちました。
女性経験が豊富だったし~太郎ですが、のりこと付き合い始めて女性の不可解さというのでしょうか?
ともかくのりことの付き合いは今までにないくらいの大苦戦でした。
当時の若い男のやりたいこと……。それは勿論、エッチがしたい。
最近は草食男子なんていう言葉がブームですが、
当時の男は童貞なんていうのは恥ずかしいもの……、
経験人数が豊富で、何人とヤッたかというのがちょっとした自慢になりました。
当時のし~太郎も、
『付き合ったからには絶対、のりことエッチをする!』
そう固く決めていました。
しかしのりこはこれまで付き合った女性の誰よりもガードが固い……。
いままで付き合った女性はエッチがしたいといえばすぐさせてくれる、
悪い言い方をすれば『股のゆるい』女の子が多かったのです。
しかしのりこはエッチどころかキスもさせてくれませんでした。
かと思えばのりこは、妙に甘えたがりのところがありやたら手をつなぎたがったり、
腕を組んで歩きたがったりもしました。
こののり子の甘え症にはさすがのし~太郎も困惑してしまいます。
なにせ、し~太郎は硬派でした。
女と人前でべったりするのはみっともない、そう思っていました。
しかしのりこと付き合い始めてし~太郎の心にも変化がありました。
甘えたがるのり子を見て可愛いと思えるようになって来たのです。
こいつは俺が守る、そう思うまでになりました。
それは今まで付き合ったどの女性にも抱いたことのない気持ちでした。
しかし、このときのし~太郎は
『この世界に女はこいつだけじゃない』
とまだ別の女性のことを考える余裕がありました。
のり子との初めてキスをしたのは付き合って半年ほどでしょうか……。
それはし~太郎にとって運命の明暗を分ける大博打でした。
ある日のデートの帰り……二人でファミレスで夕食をとり店を出ました。
その日は夕日がやけにまぶしく、
周囲の景色がまるでオレンジ色のセロファンを張ったように赤く染まっていたのを覚えています。
し~太郎の手にはガムが一束握られていました。
忘れもしません、ロッテのクールミント……、ペンギンの絵柄の少し辛いミントガム。
し~太郎はおもむろに一枚、口に放り込むとさも旨そうにそれを噛みます。
『うめー、まじうめーよ、このガム』
『ちょっと自分だけずるいって!わたしも一枚ちょうだいってば!』
『一枚、百万円だ』
そんなやりとりをしていました。
『だーかーらー!ちょうだいって!』
『じゃあ、俺のやるよ』
すかさず、し~太郎はのりこのあごを指先で軽く持ち上げると、
突き出された唇にキスをしました。
『……~~~!!』
そして舌を使いのりこの口へとガムを送り込みます。
やがてし~太郎の口にはのり子の柔らかい唇の感触が伝わってきます。
それは噛んでいたガムよりずっと甘かったのはいうまでもありません。
今までにキスは何度もしてきたし~太郎ですが、このときのキスほど記憶に残ったものはありません。
短くさりげないキスでしたが、そのキスはまるでスローモーションの映像を見るように長く感じられました。
ポカンとしているのりこにし~太郎は言いました。
『お前、俺とキスしたんだぞ』
し~太郎の博打は成功に終わり、二人は会うたびにキスをするようになりました。
あいさつで『おはよう』をいうように、自然にキスをする仲に進展したのです。
しかしそれに満足するし~太郎ではありませんでした。
のりことエッチをするという決意はいまだ忘れては居なかったのです。
キスこそしたもののし~太郎にとってのりことの交際は、
どこかオママゴトをしているようなもどかしさがありました。
おれは恋愛ごっこをするためにのりこと付き合っているんじゃない、
おれものりこももう一人前の大人になる……、大人になるからには大人の交際をしなくちゃ!
おれはのりことエッチがしたい、逆にのりこはどう思ってるんだ?
あいつは何でああもガードが固いんだ?
セックスなしのプラトニックな付き合いというのは所詮、見掛け倒しのごっこ遊びに過ぎません。
し~太郎は現実に生きる男です。少女マンガの安っぽいハンサム男ではありません。
し~太郎はいまだ不可解なのりこの態度に頭を悩ませていました。
しかしこの後、し~太郎はのりことエッチをするチャンスにめぐり合うことになります。
しかもそのチャンスは大胆にものりこからのアプローチによるものだったのです。
女性経験が豊富だったし~太郎ですが、のりこと付き合い始めて女性の不可解さというのでしょうか?
ともかくのりことの付き合いは今までにないくらいの大苦戦でした。
当時の若い男のやりたいこと……。それは勿論、エッチがしたい。
最近は草食男子なんていう言葉がブームですが、
当時の男は童貞なんていうのは恥ずかしいもの……、
経験人数が豊富で、何人とヤッたかというのがちょっとした自慢になりました。
当時のし~太郎も、
『付き合ったからには絶対、のりことエッチをする!』
そう固く決めていました。
しかしのりこはこれまで付き合った女性の誰よりもガードが固い……。
いままで付き合った女性はエッチがしたいといえばすぐさせてくれる、
悪い言い方をすれば『股のゆるい』女の子が多かったのです。
しかしのりこはエッチどころかキスもさせてくれませんでした。
かと思えばのりこは、妙に甘えたがりのところがありやたら手をつなぎたがったり、
腕を組んで歩きたがったりもしました。
こののり子の甘え症にはさすがのし~太郎も困惑してしまいます。
なにせ、し~太郎は硬派でした。
女と人前でべったりするのはみっともない、そう思っていました。
しかしのりこと付き合い始めてし~太郎の心にも変化がありました。
甘えたがるのり子を見て可愛いと思えるようになって来たのです。
こいつは俺が守る、そう思うまでになりました。
それは今まで付き合ったどの女性にも抱いたことのない気持ちでした。
しかし、このときのし~太郎は
『この世界に女はこいつだけじゃない』
とまだ別の女性のことを考える余裕がありました。
のり子との初めてキスをしたのは付き合って半年ほどでしょうか……。
それはし~太郎にとって運命の明暗を分ける大博打でした。
ある日のデートの帰り……二人でファミレスで夕食をとり店を出ました。
その日は夕日がやけにまぶしく、
周囲の景色がまるでオレンジ色のセロファンを張ったように赤く染まっていたのを覚えています。
し~太郎の手にはガムが一束握られていました。
忘れもしません、ロッテのクールミント……、ペンギンの絵柄の少し辛いミントガム。
し~太郎はおもむろに一枚、口に放り込むとさも旨そうにそれを噛みます。
『うめー、まじうめーよ、このガム』
『ちょっと自分だけずるいって!わたしも一枚ちょうだいってば!』
『一枚、百万円だ』
そんなやりとりをしていました。
『だーかーらー!ちょうだいって!』
『じゃあ、俺のやるよ』
すかさず、し~太郎はのりこのあごを指先で軽く持ち上げると、
突き出された唇にキスをしました。
『……~~~!!』
そして舌を使いのりこの口へとガムを送り込みます。
やがてし~太郎の口にはのり子の柔らかい唇の感触が伝わってきます。
それは噛んでいたガムよりずっと甘かったのはいうまでもありません。
今までにキスは何度もしてきたし~太郎ですが、このときのキスほど記憶に残ったものはありません。
短くさりげないキスでしたが、そのキスはまるでスローモーションの映像を見るように長く感じられました。
ポカンとしているのりこにし~太郎は言いました。
『お前、俺とキスしたんだぞ』
し~太郎の博打は成功に終わり、二人は会うたびにキスをするようになりました。
あいさつで『おはよう』をいうように、自然にキスをする仲に進展したのです。
しかしそれに満足するし~太郎ではありませんでした。
のりことエッチをするという決意はいまだ忘れては居なかったのです。
キスこそしたもののし~太郎にとってのりことの交際は、
どこかオママゴトをしているようなもどかしさがありました。
おれは恋愛ごっこをするためにのりこと付き合っているんじゃない、
おれものりこももう一人前の大人になる……、大人になるからには大人の交際をしなくちゃ!
おれはのりことエッチがしたい、逆にのりこはどう思ってるんだ?
あいつは何でああもガードが固いんだ?
セックスなしのプラトニックな付き合いというのは所詮、見掛け倒しのごっこ遊びに過ぎません。
し~太郎は現実に生きる男です。少女マンガの安っぽいハンサム男ではありません。
し~太郎はいまだ不可解なのりこの態度に頭を悩ませていました。
しかしこの後、し~太郎はのりことエッチをするチャンスにめぐり合うことになります。
しかもそのチャンスは大胆にものりこからのアプローチによるものだったのです。